鉄筋コンクリート造 更新日:2026年6月20日

鉄筋の圧接(ガス圧接)とは?資格・径違い・検査・ふくらみの規定を解説

圧接(ガス圧接)とは、圧力と熱を加えて鉄筋を一体化する継手の方法です。細径の鉄筋は重ね継手にしますが、D19以上では圧接の採用が多くなります。この記事では、圧接の意味・技量資格と径の関係・径違いの規定・検査方法・ふくらみ/偏心/ずれの合格基準までを、実務目線で整理します。一級建築士試験にも頻出のテーマです。

この記事の要点
  • 圧接は圧力+熱で鉄筋を一体化する継手。引張強度は母材以上。D19以上で多用される。
  • 技量資格は1種(D25以下)〜4種(D51以下)。径違いは径差7mm以下、材質は上下1ランク以内
  • 検査は外観検査(全数)非破壊検査=超音波探傷(1ロット30か所抜取り)。外観ではふくらみ・軸の偏心量・ずれを確認。

圧接とは?(作業の流れ)

圧接は、圧力と熱を加えて2本の鉄筋を1本に一体化する接合方法です。鉄筋径が小さい場合は重ね継手としますが、D19以上では圧接が多く採用されます。要するに、鉄筋を1本につなぐ代表的な方法のひとつです(継手全体は「鉄筋継手の種類」を参照)。

圧接の作業手順は、おおまかに次のとおりです。

  1. 圧接面をグラインダー掛けして清掃する。
  2. 鉄筋の圧接面を加圧する。
  3. 加熱する(加熱中も加圧を継続。酸素・アセチレン炎を使用)。
  4. 圧接部に所定のふくらみをつくる。

圧接部の引張強度は、鉄筋母材以上の規格を満足させます。鉄筋を一体化する方法として、圧接と重ね継手はもっとも一般的な手段です。

圧接の資格と径による作業範囲

圧接は技量を要する作業のため、技量資格が設けられています。資格は鉄筋径別に1種〜4種があり、種が上がるほど高い技量が求められ、扱える鉄筋径も太くなります。

技量資格作業可能な鉄筋径
1種D25 以下
2種D32 以下
3種D38 以下
4種D51 以下

たとえば1種の資格では、D25以下の鉄筋しか圧接できません。太径を扱うほど上位の資格が必要になります。

径違い・材質の違いの規定

圧接は、鉄筋の径や材質が大きく異なると施工できないことがあります。規定は次のとおりです。

圧接できる組み合わせの条件
  • 径の差:7mm 以下
  • 材質:上下1ランク以内(例:SD295AとSD345)
  • 材質:同径ならSD295AとSD345は圧接可能。ただし2ランク違いのSD295AとSD390は不可
  • :D19とD25は圧接可能(差6mm)。D19とD32は不可(差13mm)。

圧接の検査方法(外観・非破壊)

圧接部の検査は、次の2つで行います。

検査内容検査数
外観検査圧接部の外観(ふくらみ・偏心・ずれ)を目視・器具で確認全数(圧接箇所すべて)
非破壊検査超音波探傷。外観では分からない内部の欠陥を確認1検査ロットにつき30か所を無作為抽出

外観検査はすべての圧接箇所で行い、非破壊検査(超音波探傷)は1ロットから30か所を抜き取って実施します。

外観検査の内容(ふくらみ・偏心・ずれ)

外観検査では、おもにふくらみ・軸の偏心量・ずれの3点を確認します。

鉄筋圧接部の外観検査の確認項目(ふくらみの直径・長さ、軸の偏心量、圧接面のずれ)を示す図
圧接部の外観検査の確認項目(ふくらみ・軸の偏心量・ずれ)。

ふくらみ

圧接部は熱と圧力でふくらみます。このふくらみが品質の要で、大きいほど良いとされます。

  • ふくらみの直径 ≧ 鉄筋径の1.4倍
  • ふくらみの長さ ≧ 鉄筋径の1.1倍

満たさない場合は再加熱で補正します。

軸の偏心量

圧接時に鉄筋同士の軸がずれる(偏心する)場合、偏心量はできるだけ小さくします。

  • 軸の偏心量 ≦ 鉄筋径の1/5(径が異なるときは細い方の値)

満たさない場合は切り取って再圧接します。

ずれ

圧接部のふくらみ頂部と圧接面(接合面)のずれは、小さいほど良いとされます。

  • 圧接面のずれ ≦ 鉄筋径の1/4

満たさない場合は切り取って再圧接します。

混同しやすい用語の整理

圧接と重ね継手

圧接は熱と圧力で鉄筋を一体化する方法、重ね継手は鉄筋を重ねてコンクリートの付着で力を伝える方法です。圧接はD19以上で採用が多く、重ね継手は細径に多く使われます。

外観検査と非破壊検査

外観検査はふくらみ・偏心・ずれを目視・器具で全数確認、非破壊検査は超音波探傷で1ロット30か所を抜き取り、内部欠陥を確認します。

圧接のまとめ表

項目内容備考
ふくらみの規定直径:鉄筋径の1.4倍以上/長さ:鉄筋径の1.1倍以上不足時は再加熱で補正
軸の偏心量鉄筋径の1/5 以下超過時は切り取って再圧接
圧接面のずれ鉄筋径の1/4 以下超過時は切り取って再圧接
径違い径差7mm以下材質は上下1ランク以内

まとめ

  • 圧接は圧力+熱で鉄筋を一体化する一般的な継手。引張強度は母材以上、D19以上で多用。
  • 径違いは径差7mm以下、材質は上下1ランク以内でないと圧接できない。
  • ふくらみ(1.4d・1.1d)・偏心(1/5)・ずれ(1/4)は外観検査の合格基準。試験頻出なので確実に覚える。
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※圧接の資格区分・径違い・検査・合格基準の詳細は、JIS・公共建築工事標準仕様書・各仕様書/規準や年度の改定により異なる場合があります。実務では必ず採用基準の最新版をご確認ください。