構造力学の基礎 更新日:2026年6月12日

反力の求め方|つり合い式の立て方を例題でわかりやすく解説

反力とは、荷重を受けた構造物を支点が支え返す力のことです。Q図・M図を描くにも、部材の応力を求めるにも、すべての計算は反力を求めることから始まります。手順はワンパターンなので、この記事の流れをそのまま身につけてください。

支点の種類と反力の数

支点には3種類あり、それぞれ「動きを拘束する方向」にだけ反力が生じます。

支点記号のイメージ反力の数生じる反力
ローラー(移動端)○つきの三角1鉛直反力 V
ピン(回転端)三角2鉛直反力 V+水平反力 H
固定(固定端)壁にめり込む形3V+H+モーメント反力 M

つり合いの3式

構造物が静止しているなら、外力(荷重+反力)は必ずつり合っています。使える式はこの3つだけです。

ΣX = 0 / ΣY = 0 / ΣM = 0 水平方向の力の合計=0、鉛直方向の力の合計=0、任意の点まわりのモーメントの合計=0

例題:偏った位置に集中荷重を受ける単純梁

スパン L の単純梁(左:ピン支点A、右:ローラー支点B)の、左から a の位置に集中荷重 P が作用する場合を解いてみます。

P VA = Pb/L VB = Pa/L ← a → ← b → スパン L = a + b

図:反力は荷重に近い側の支点ほど大きい(てこの原理と同じ)

手順1:支点を反力に置き換える

A点はピンなので VA・HA、B点はローラーなので VB。未知数は3つで、つり合い式も3つなので解けます(=静定構造)。

手順2:ΣM = 0 を「未知数が消える点」で立てる

モーメントの中心は どこに取ってもよいので、未知の反力が多く通る点を選ぶのがコツです。A点まわりで取れば、VA と HA はモーメントを作らないので消えます。

ΣM(A) = 0: P × a − VB × L = 0 → VB = Pa / L

手順3:残りの式で解く

ΣY = 0: VA + VB − P = 0 → VA = P − Pa/L = Pb / L
ΣX = 0: HA = 0(水平荷重がないため)
POINT
  • モーメントの中心はピン支点に取るのが定石(未知数が2つ消える)。
  • 検算は「逆側の支点まわりの ΣM=0」で。VA = Pb/L が再現できれば正解。
  • 荷重に近い側の支点ほど反力は大きい。感覚と合うか必ず確認する。

等分布荷重・モーメント荷重の扱い方

  • 等分布荷重 w:合力 wL を分布範囲の中央に置いた集中荷重に置き換えてからつり合い式を立てる。
  • モーメント荷重 M:ΣY には現れず、ΣM の式にだけ「±M」として加える。作用位置によらず値は同じ。
  • 斜めの荷重:水平成分と鉛直成分に分解してから扱う。
あわせて確認

反力が求められたら、次は「Q図・M図の描き方」へ。つり合い式だけで解けない構造は「不静定構造とは?」で解説しています。

まとめ

  • 反力の数は支点で決まる:ローラー1・ピン2・固定3。
  • 使う式は ΣX=0・ΣY=0・ΣM=0 の3つだけ。
  • ΣM はピン支点まわりで取ると未知数が消えて一発で解ける。
  • 等分布荷重は「中央に置いた合力」に置き換える。