試験・キャリア 更新日:2026年6月17日

若手構造設計者におすすめの実務書7選|現役構造一級が厳選

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入社したころは右も左も分からず、本当にたくさんの本を読みました。この記事では、その中でも「分かりやすかった」「買って良かった」と心から感じた実務書を、現役の構造設計一級建築士の視点で7冊厳選してご紹介します。

やみくもに読むより「読む順番」が大事です。そこで本記事では、①設計の進め方 → ②全体像 → ③分野別の実務(鉄骨・RC・基礎)→ ④手元に常備するリファレンスという、若手が伸びる順番に並べ替えて紹介します。

こんな方におすすめ
  • これから構造設計者を目指す建築系の学生
  • 入社1〜3年目で、何から勉強すればいいか迷っている若手
  • 新入社員の教育・指導の題材を探している管理職・先輩

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7冊の位置づけを表にまとめました。気になる本のボタンから楽天ブックス・Amazonで詳細を確認できます。

No書名分野・用途こんな人に
1初めての建築構造設計計算の進め方・手計算の基礎入社1年目・学生
2世界で一番やさしい建築構造全体像・超入門基礎を作り直したい人
3実務から見た鉄骨構造設計鉄骨造(S造)の実務S造を担当する若手
4実務から見たRC構造設計RC造の実務RC造を担当する若手
5実務から見た基礎構造設計基礎・地盤の実務基礎設計を学ぶ人
6建築物の構造関係技術基準解説書(黄色本)法基準のリファレンス実務者は全員必携
7建築構造ポケットブック公式・規定の常備本デスクに1冊

STEP1:まず「設計の進め方」と「全体像」をつかむ

いきなり分野別の専門書に入ると挫折します。最初は「構造設計とはどう進めるのか」「建物全体でどう力が流れるのか」をつかむ2冊から始めましょう。

1 初めての建築構造設計 構造計算の進め方 の書影

初めての建築構造設計 構造計算の進め方

編:建築のテキスト編集委員会/学芸出版社|用途:構造計算の進め方・手計算の基礎

新入社員がまず手に取りたい1冊。構造計算の手順を示しながら、手計算の“いろは”を丁寧に解説してくれます。やみくもに数値を出すのではなく、出てくる数式や計算法が「何のためにあるのか」まで教えてくれるので、初心者にやさしい内容です。教育の最初の題材にも最適です。

2 世界で一番やさしい建築構造 増補改訂版 の書影

世界で一番やさしい建築構造(増補改訂版)

著:江尻憲泰/エクスナレッジ|用途:全体像・超入門

力学の基礎から構造の法規、設計の実務までを1冊で見渡せる建築構造の超入門書。豊富な図解で、意匠設計・工事監理に携わる方や、建築を学びはじめた学生にも構造の全容が伝わります。「専門書はまだ難しい」と感じる段階の土台づくりにぴったりです。

STEP2:分野別の実務を「実務から見た」シリーズで固める

全体像をつかんだら、いよいよ分野別の実務です。おすすめは学芸出版社・上野嘉久氏の「実務から見た」シリーズ鉄骨・RC・基礎がそろっており、新人からベテランまで幅広く読まれている定番です。自分の担当分野から手に取ってください。

3 実務から見た鉄骨構造設計 第三版 の書影

実務から見た鉄骨構造設計(第三版)

著:上野嘉久/学芸出版社|分野:鉄骨造(S造)

これ1冊で鉄骨造の設計が一通り学べる定番書。実務が満遍なくカバーされており、独学にも教育題材にも向きます。新人が最初に任されがちな二次部材(小梁・階段・水平ブレースなど)の設計方法まで載っていて、私も若手の頃よく参考にしていました。

あわせて

同じ著者の『構造計算書で学ぶ鉄骨構造(第三版)』は、計算書をもとに学ぶさらに実践的なテキストです。一歩進んだ学習に。

4 実務から見たRC構造設計 改訂版 の書影

実務から見たRC構造設計(改訂版)

著:上野嘉久/学芸出版社|分野:鉄筋コンクリート造(RC造)

「実務から見た」シリーズのRC造編。鉄骨構造設計編と同様、実務に必要な知識がひととおり詰まっており、RC造を担当する若手の心強い相棒になります。鉄骨編とセットで持っておくと、分野をまたいで同じ感覚で調べられて便利です。

5 実務から見た基礎構造設計 改訂版 の書影

実務から見た基礎構造設計

著:上野嘉久/学芸出版社|分野:基礎・地盤

シリーズの基礎構造設計編。こちらも新人からベテランまで幅広く読まれています。分からないことはまずこの本で調べ、さらに詳しく知りたいときは最新の日本建築学会指針にあたる——という使い方がおすすめです。上部構造とあわせて基礎まで理解すると、設計の全体像が一気につながります。

STEP3:手元に「常備するリファレンス」をそろえる

最後は、実務中に何度も引くリファレンス(参照本)です。読み込むというより「机の上に置いて、必要なときに開く」使い方をします。

6 建築物の構造関係技術基準解説書 2025年版 の書影

建築物の構造関係技術基準解説書(通称「黄色本」)

監修:国土交通省 国土技術政策総合研究所ほか/全国官報販売協同組合|用途:法基準のリファレンス|参考価格:12,100円(税込・最新版で要確認)

「建築基準法(構造)そのもの」と言ってよいほどの基準書で、構造設計を業務で行うならこれが無いと話になりません構造設計一級建築士の資格取得講習のサブテキストにもなっています。会社に共用の1冊があることも多いですが、本気でやるなら自分の1冊を。改訂されるので必ず最新版を選んでください。

7 現場必携 建築構造ポケットブック 第6版 の書影

建築構造ポケットブック

編:建築構造ポケットブック編集委員会/共立出版(現場必携 第6版)|用途:公式・規定の常備本|参考価格:4,400円(税込・最新版で要確認)

構造設計の規定や公式がひととおり詰まった定番のリファレンス。手のひらサイズ(約15×11cm)なので、私も常にデスクにしのばせています。「あの数値、どうだったかな?」というときにサッと引ける、地味だけれど一生使える1冊です。

本を買うときの3つのコツ

  • 最新版を選ぶ:基準書・指針は改訂されます。特に黄色本は必ず最新版を。
  • 会社の経費・図書購入制度を確認:実務書は高額なものも多いので、まず職場の購入制度を確認すると負担を抑えられます。
  • 「読む本」と「引く本」を分ける:1〜5は通読、6〜7は手元に常備、と役割で使い分けると挫折しません。
あわせて読みたい

学科試験対策は「一級建築士「構造」の勉強法とおすすめ問題集」、資格の全体像は「構造設計一級建築士とは?」、仕事の実態は「構造設計者の年収はいくら?」をどうぞ。力学の基礎は構造力学の基礎カテゴリを図解で解説しています。

まとめ

  • 本は「読む順番」が大事。進め方 → 全体像 → 分野別 → 常備本の順で。
  • 分野別は、学芸出版社・上野嘉久氏の「実務から見た」シリーズ(鉄骨・RC・基礎)が定番。
  • 黄色本ポケットブックは、実務者なら手元に常備したいリファレンス。
  • 基準書は改訂されるので、購入時は必ず最新版を確認しましょう。