鉄筋コンクリート造 更新日:2026年6月20日

鉄筋の溶接とは?種類(エンクローズ・フレア)の特徴と適用場面

鉄筋の溶接とは、鉄筋同士をアーク溶接で接合する継手の総称です。鉄骨では溶接は一般的ですが、鉄筋の溶接が使われる場面は多くありません(鉄筋継手は重ね継手・圧接継手が主流のため)。この記事では、鉄筋の溶接の意味・代表的な2種類(エンクローズ溶接・フレア溶接)・特徴・適用場面を、告示の規定とあわせて整理します。

この記事の要点
  • 鉄筋の溶接は鉄筋継手のひとつ。主な種類はエンクローズ溶接フレア溶接
  • エンクローズ溶接=鉄筋端部の突合せ溶接(径25mm超の主筋に適用)。フレア溶接=丸鋼の円弧状のすき間を利用した溶接で、杭頭補強筋の接合に使う。
  • 規定は告示第1463号などにある。溶接部は欠陥がなく、母材以上の溶接材料を用いる。

鉄筋の溶接とは?

鉄筋継手の方法のひとつに溶接継手があります。鉄筋を溶接して継手とする方法ですが、実務で使う箇所はそれほど多くありません。鉄筋の継手は、一般に圧接継手重ね継手を用いるためです。溶接は、これらが使いにくい特殊な納まり(杭頭補強筋など)で活躍します。

告示1463号の規定

鉄筋の溶接継手は、告示第1463号などに規定があります。主な内容を整理すると次のとおりです。

  • 溶接継手は突合せ溶接とすること。ただし、径25mm以下の主筋等は重ねアーク溶接継手(フレア溶接)とできる(※公共建築工事標準仕様書では径16mm以下)。
  • 溶接部は欠陥がないものとすること。
  • 溶接される鉄筋の強度・性能以上の溶接材料を用いること。

鉄筋の溶接の種類

鉄筋の溶接には、おもに次の2種類があります。

  • エンクローズ溶接:鉄筋の断面を突合せ溶接する方法。
  • フレア溶接:丸鋼の円弧状のすき間(フレア)を利用した溶接。

エンクローズ溶接

エンクローズ溶接とは、鉄筋の断面(端部)を突き合わせて行う突合せ溶接です。溶接部の周囲を裏当て材で囲って(エンクローズ=囲い込みして)アーク溶接することからこの名があります。

  • 告示では、径25mmを超える主筋はエンクローズ溶接(突合せ溶接)が必要です。
  • 開先はI型開先を用います。

フレア溶接

フレア溶接とは、丸鋼(鉄筋)の曲面どうし、または鉄筋と鋼板(鋼管)の間にできる円弧状のすき間(フレア)を利用して溶接する方法です。代表的な用途が杭頭補強筋の接合で、鋼管杭などに補強筋を溶接する際に使われます。

フレア溶接の例。丸鋼(鉄筋)どうし、および鉄筋と鋼板の間の円弧状のすき間を溶接する様子
フレア溶接。丸鋼どうし(左)/鉄筋と鋼板(右)の円弧状のすき間(フレア)を溶接する。

径の小さい鉄筋(告示で径25mm以下の主筋等、公共建築工事標準仕様書では径16mm以下)では、突合せ溶接に代えてフレア溶接(重ねアーク溶接継手)とできます。

鉄筋の溶接のまとめ表

項目内容備考
エンクローズ溶接鉄筋断面を突合せ溶接する方法径25mm超の主筋に適用/I型開先
フレア溶接丸鋼の円弧状のすき間を利用した溶接杭頭補強筋の接合に使用
重ね継手・圧接継手一般的な鉄筋の継手方法溶接継手より広く使われる

まとめ

  • 鉄筋の溶接は鉄筋継手のひとつ。代表はエンクローズ溶接フレア溶接
  • エンクローズ溶接は径25mm超の主筋の突合せ溶接、フレア溶接は杭頭補強筋の接合で一般的。
  • 規定は告示1463号等にあり、溶接部は欠陥なし・母材以上の溶接材料を用いる。施工管理と検査が重要。
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※溶接継手の適用径・開先・検査の詳細は、告示・公共建築工事標準仕様書・各規準や年度の改定により異なる場合があります。実務では必ず採用基準の最新版をご確認ください。