構造設計者の残業を減らす|Excelで作る実務用「構造計算支援ツール」活用法
構造設計の残業は、大きな解析だけでなく「一貫計算では終わらない細かな諸検討」の積み重ねから生まれます。これらはExcelテンプレート化することで大幅に効率化でき、若手の戦力化にもつながります。この記事では、Excelの構造計算支援ツールで残業を減らす考え方と進め方を、実務目線で解説します。
- 構造設計の若手技術者で、一貫計算では対応できない検討に手間取っている方
- 諸検討を効率化して残業時間を減らしたい構造設計者
- 属人化した計算を若手教育・標準化に活用したい管理職の方
一貫計算だけでは終わらない構造設計の現実
構造設計では、一貫計算ソフトで建物全体の解析はできても、実際には多くの追加検討(諸検討)が必要になります。代表的なものだけでも次のとおりです。
- 開口補強の検討
- スラブの面内せん断の検討
- 基礎・杭の部分的な照査
- 特殊な接合部の確認
- 大梁のねじれの検討
これらは一件あたりは小さくても、案件ごとに何度も発生し、しかも担当者の手元のやり方に依存(属人化)しがちです。毎回ゼロから手計算や使い捨てのExcelで対応していると、ここが残業の温床になります。
諸検討が残業を生む3つの理由
| 残業を生む要因 | 具体的な中身 | Excelツール化すると |
|---|---|---|
| 毎回ゼロから作る | 案件ごとに同じ計算を組み直し、検算もやり直す。 | 入力欄に数値を入れるだけで完了 |
| 属人化・ばらつき | 担当者ごとに様式も精度もバラバラ。チェックも大変。 | 誰がやっても同じ手順・同じ品質 |
| 若手が手探り | 「どう検討すればいいか」から調べ始めて時間がかかる。 | 計算の型を見ながら進められ、教育にもなる |
なぜ「Excel」が構造計算支援に向くのか
諸検討の効率化に、専用ソフトよりもExcelテンプレートが向く理由があります。
- 導入コストが低い:多くの事務所に既にあり、すぐ使える。
- 中身が見える:計算過程が追えるので、検算・確認・教育に使いやすい。
- カスタマイズ自由:自社の様式・基準に合わせて改変できる。
- 提出物に転用しやすい:計算書の体裁に整えて出力できる。
「計算の型」が見えるExcelは、若手が手順を理解しながら使えるのが最大の利点です。ブラックボックスのツールと違い、使うこと自体が教育になります。
Excelテンプレートで若手を戦力化する
諸検討のテンプレートは、若手教育と相性が抜群です。型に沿って入力し結果を確認する過程で、「どの数値を・なぜ・どう検討するか」が自然に身につきます。ベテランの計算ノウハウを組織の資産として標準化でき、属人化の解消・チェック負荷の軽減にもつながります。
構造計算支援ツール(Excel)で諸検討を効率化
現役の構造設計一級建築士が実務目線で自作したExcelの構造計算支援ツールを販売しています。商品は随時追加・更新。御社の仕様に合わせたオーダーメイド開発(金額は要相談)も可能です。
導入の進め方(おすすめ手順)
- 頻出の諸検討を洗い出す:開口補強・スラブ面内せん断・基礎/杭・接合部・大梁ねじれなど、繰り返し発生する検討から着手。
- テンプレートを用意する:自作するか、販売ツールを活用して様式を統一する。
- 入力・出力ルールを決める:入力欄・適用範囲・出力体裁を固定し、誰でも同じ品質にする。
- チームで共有・改善:使いながら改良し、組織のノウハウとして蓄積する。
計算支援ツールは検討の効率化を支援するものです。入力値・適用範囲・結果の妥当性の確認と、最終的な設計判断は有資格者(建築士)が責任を持って行ってください。
まとめ
- 構造設計の残業は、一貫計算では終わらない「諸検討」の積み重ねから生まれる。
- 諸検討は毎回ゼロから・属人化・若手が手探り、の3点で時間を食う。
- Excelテンプレート化すれば、時間短縮・品質標準化・若手の戦力化を同時に実現できる。
- まずは頻出の検討から型化し、チームで共有・改善していくのが近道。
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