構造形式・材料 更新日:2026年6月13日

基礎構造とは?直接基礎と杭基礎の違い・地盤との関係を解説

基礎は、建物の重さや地震力を地盤に安全に伝える役割を担う、建物の足元です。どんなに上部構造を頑丈に設計しても、基礎と地盤が不適切なら建物は傾いたり沈んだりします。この記事では基礎構造の種類と、それを決める考え方を整理します。

基礎は大きく2種類

基礎は、建物を支えられる固い地盤(支持層)の深さによって、直接基礎杭基礎に分かれます。

直接基礎 建物 良い地盤が浅い 支持層(固い地盤) 基礎が直接支える 杭基礎 建物 軟弱な地盤(厚い) 支持層(深い) 杭で深い地盤まで力を伝える

図:良い地盤が浅ければ直接基礎、深ければ杭基礎で支持層まで力を伝える

直接基礎の種類

種類形状主な用途
独立基礎柱の下に独立した基礎地盤が良い場合の柱脚部
布基礎(連続基礎)壁・柱の下に連続した逆T字木造戸建ての定番
べた基礎建物の底面全体を1枚の板で支える軟弱地盤・木造で広く普及。荷重を面で分散し不同沈下に強い

杭基礎の種類

  • 支持杭:杭の先端を固い支持層に到達させ、先端支持力で支える。最も確実。
  • 摩擦杭:支持層が非常に深い場合に、杭の側面と地盤の摩擦力で支える。
  • 施工方法では、既製杭(工場製の杭を打込み・埋込み)と場所打ちコンクリート杭(現場で掘削して造る)がある。

基礎を決める前に:地盤を知る

基礎の設計は地盤調査から始まります。地盤の固さ・支持層の深さを調べ、建物が地盤に与える力(接地圧)が地盤の許容支持力以下になるようにします。

調査方法内容
ボーリング調査(標準貫入試験)N値で地盤の固さを深さごとに把握。中〜大規模建築の標準
スウェーデン式サウンディング(SWS)戸建てで一般的な簡易な地盤調査

基礎設計の3大注意点

  • 支持力:建物の重さに地盤が耐えられるか(接地圧 ≦ 許容支持力)。
  • 不同沈下:場所によって沈下量が違うと建物が傾く。べた基礎や杭で防ぐ。
  • 液状化:地震時に砂質地盤が水のようになる現象。埋立地・河川沿いで注意。杭基礎や地盤改良で対策する。
POINT
  • 基礎の選定は「良い地盤がどれだけ深いか」で決まる。浅ければ直接基礎、深ければ杭基礎。
  • 上部構造(RC・S・木)の重さも効く。重いRC造ほど基礎・地盤への負担が大きい。
あわせて読みたい

基礎に伝わる荷重の拾い方は「固定荷重・積載荷重の拾い方」、地震力は「地震力の計算方法」、上部構造の種類は「RC造・S造・SRC造・木造の違い」をどうぞ。

まとめ

  • 基礎は建物の力を地盤に伝える足元。支持層が浅ければ直接基礎、深ければ杭基礎。
  • 直接基礎は独立・布・べた、杭基礎は支持杭・摩擦杭。
  • 地盤調査をもとに、支持力・不同沈下・液状化の3点を確認して設計する。