コンクリートと鉄筋の関係|互いの弱点を補う仕組みを図解で解説
鉄筋コンクリート(RC)は、コンクリートと鉄筋という2つの材料を組み合わせた複合材料です。なぜこの2つを組み合わせるとうまくいくのか——それは互いの弱点をちょうど補い合う、奇跡のような相性の良さがあるからです。
それぞれの得意・不得意
| 材料 | 得意 | 不得意 |
|---|---|---|
| コンクリート | 圧縮に強い・安い・耐火・耐久 | 引張に弱い(圧縮の約1/10) |
| 鉄筋 | 引張に強い・粘り強い | 錆びる・熱に弱い・細いと座屈 |
仕組み:引張は鉄筋、圧縮はコンクリート
梁が曲がると、断面の中で引張と圧縮が同時に生じます(曲げ応力度)。下に凸に曲がる梁では、下側が引張・上側が圧縮になります。そこで引張が生じる側に鉄筋を配置すれば、コンクリートが苦手な引張を鉄筋が肩代わりし、圧縮はコンクリートが受け持ちます。
図:下に凸の梁では下側が引張。そこに鉄筋を入れてコンクリートの弱点を補う
4つの「相性の良さ」
RCが成立するのは、力の分担だけでなく、次の物理的な相性のおかげです。
| 相性 | 内容 |
|---|---|
| ① 力の補完 | 圧縮=コンクリート、引張=鉄筋で役割分担できる。 |
| ② 熱膨張率がほぼ同じ | 温度変化で同じだけ伸縮するため、内部で剥がれたりズレたりしない。 |
| ③ アルカリ性が錆を防ぐ | コンクリートのアルカリ性が、覆われた鉄筋の錆を防ぐ。 |
| ④ 付着で一体化 | 鉄筋表面の凹凸(異形鉄筋)とコンクリートが密着し、一体で働く。 |
POINT
- 鉄筋はさらにコンクリートに守られることで、自身の弱点(錆・熱・座屈)も克服している。互いに守り合う関係。
- この一体性を保つのが付着とかぶり厚さ。だからRC造ではかぶり厚さが極めて重要。
あわせて読みたい
コンクリート側の弱点と対策は「コンクリートの弱点」、曲げと断面の関係は「断面係数とは?」、RC造全体は「鉄筋コンクリート造(RC造)とは?」をどうぞ。
まとめ
- 圧縮に強いコンクリートと引張に強い鉄筋が、互いの弱点を補い合う。
- 熱膨張率が同じ・アルカリが錆を防ぐ・付着で一体化、の相性の良さで成立する。
- 一体性を保つ「付着」と「かぶり厚さ」がRC造の生命線。