壁倍率とは?筋かい・石膏ボードの値一覧と必要壁量の計算方法
木造の耐震性は「耐力壁がどれだけあるか」で大きく決まります。その耐力壁の強さを表すのが壁倍率です。この記事では、壁倍率の意味と仕様別の値一覧、そして必要壁量の計算方法をまとめます。
壁倍率とは
壁倍率は、耐力壁の強さの指標です。倍率1.0が「壁長1mあたり1.96kN(約200kgf)の水平力に抵抗できる」と定義され、仕様に応じて0.5〜5.0の値が決められています。倍率が大きいほど強い壁です。
主な壁倍率の値一覧
| 耐力壁の仕様 | 壁倍率 |
|---|---|
| 石膏ボード(大壁・片面) | 0.9〜1.1 |
| 筋かい 15×90(木材) | 1.0 |
| 筋かい 30×90(片側) | 1.5 |
| 筋かい 45×90(片側) | 2.0 |
| 構造用合板(大壁・釘N50@150) | 2.5 |
| 筋かい 90×90(片側) | 3.0 |
| 筋かい 45×90 たすき掛け | 4.0 |
| (合板+筋かいなどの併用・上限) | 5.0(上限) |
※値は代表例です。実際は告示・認定で仕様ごとに細かく定められています。複数の壁を重ねても合計5.0が上限です。
なぜ上限5.0なのか
壁を強くしすぎると、地震時に壁ではなく柱の引き抜きや土台・基礎が先に壊れる恐れがあります。そのため壁倍率には上限が設けられ、強い壁の端部には引き抜き防止のホールダウン金物を入れます(N値計算で必要量を決定)。
必要壁量の計算(壁量計算)
4号建築物(小規模木造)では、地震と風のそれぞれについて「必要壁量 ≦ 存在壁量」を確認します。
存在壁量 = 壁長 × 壁倍率 の合計
| 検討 | 必要壁量の求め方 |
|---|---|
| 地震に対して | 各階の床面積 × 地震用の係数(階数・屋根の重さで決まる) |
| 風に対して | その方向の見付面積 × 風用の係数(見付面積=風を受ける壁の面積) |
地震用・風用それぞれで必要壁量を求め、大きいほうを満たすように耐力壁を配置します。
計算例(イメージ)
ある階の床面積が50m²、地震用係数が0.29m/m²のとき、必要壁量は 50 × 0.29 = 14.5m。この階に「45×90片側筋かい(壁倍率2.0)の壁」を配置するなら、14.5 ÷ 2.0 = 約7.3m分の壁長が必要、という具合に求めます。
まとめ
- 壁倍率は耐力壁の強さの指標。1.0=壁長1mあたり1.96kN。上限は合計5.0。
- 筋かい45×90片側=2.0、たすき掛け=4.0、構造用合板=2.5などが代表値。
- 壁量計算は「必要壁量(地震=床面積×係数/風=見付面積×係数)≦ 存在壁量(壁長×壁倍率)」で確認する。