構造形式・材料 更新日:2026年6月13日

木造(W造)とは?在来軸組工法と枠組壁工法・耐震のポイントを解説

木造(W造、Wood)は、日本の戸建て住宅で最も多い構造です。軽くて加工しやすく、コストも抑えられます。近年はCLTなどで中高層の木造建築も増えています。この記事では構造設計の視点で木造を体系的にまとめます。

2つの主要工法

工法抵抗の考え方特徴
在来軸組工法(木造軸組)柱・梁の軸組+筋かい・耐力壁日本の伝統的工法。設計の自由度が高く、増改築しやすい
枠組壁工法(2×4)壁・床の「面」で抵抗規格化された木材と面材で箱をつくる。耐力が安定し気密・断熱に有利

木造の特徴(長所・短所)

  • 長所:軽い(地震力が小さい)。加工性・断熱性が高くコストが低い。炭素を固定し環境にやさしい。
  • 短所:防火・防腐・防蟻(シロアリ)の対策が必要。強度にばらつきがある(節・含水率)。接合部の設計が要。

木造の耐震設計:3つのチェック

小規模な木造(いわゆる4号建築物)では、次の3点で地震・風に対する安全を確認します。

  1. 壁量計算(量):必要な耐力壁の量を満たしているか。「必要壁量 ≦ 存在壁量(壁長×壁倍率の合計)」を確認する。
  2. 四分割法(バランス):平面を4分割し、耐力壁が偏っていないか(偏心)を確認する。南面に窓を集めると壁が偏りやすい。
  3. N値計算(接合):柱の引き抜き力に応じて、必要な接合金物(ホールダウン金物など)を選ぶ。
POINT
  • 木造の耐震は「壁の量・配置バランス・接合」の3点セット。壁倍率は0.5〜5.0で、5.0が上限なのは強すぎると柱の引き抜きや土台が先に壊れるため。
  • 大地震で倒壊した木造の多くは「壁が少ない/偏っている/接合が弱い」のいずれか。新耐震基準(1981年)・2000年基準で規定が強化された。

接合と中高層木造

  • 接合金物:柱脚・柱頭、筋かい端部などをホールダウン金物・羽子板ボルト等で緊結。木造の弱点である「接合部の外れ」を防ぐ。
  • CLT・集成材:板を直交に積層したCLTや大断面集成材により、中高層・大スパンの木造建築(オフィス・公共建築)も実現。耐火・遮音技術の進歩も後押し。
あわせて読みたい

耐力壁の詳細は「耐力壁とは?」、配置バランスは「層間変形角・剛性率・偏心率」、構造種別の比較は「RC造・S造・SRC造・木造の違い」をどうぞ。

まとめ

  • 木造は軽く・安く・加工しやすい。工法は在来軸組と2×4(枠組壁)。
  • 耐震は「壁量計算・四分割法・N値計算」の3点で確認する。
  • 弱点は防火・防腐・防蟻と接合部。CLT等で中高層化も進む。