ポルトランドセメントとは?6種類の特徴・成分
ポルトランドセメントは、石灰石と粘土などを焼いて作る、最も基本的なセメントです。JIS R 5210で6種類が規定されています。
この記事について
セメントの規格(JIS R 5210・R 5211・R 5213など)や混合率の区分は改訂されることがあります。本記事は学習用の概要です。設計・施工では最新の規格・指針を確認してください。
6種類の特徴と記号
| 種類 | 記号 | 特徴・用途 |
|---|---|---|
| 普通 | N | 最も一般的。建築・土木全般 |
| 早強 | H | 初期強度が高い。寒中・工期短縮 |
| 超早強 | UH | 早強よりさらに早い。緊急工事 |
| 中庸熱 | M | 水和熱が小さめ。マス・高強度 |
| 低熱 | L | 水和熱が最小。マス・高強度・高流動 |
| 耐硫酸塩 | SR | 硫酸塩に強い。温泉・下水・海岸 |
成分(クリンカ鉱物)
ポルトランドセメントは、石灰石・粘土などを焼いた「クリンカ」を粉砕し、石膏を加えて作ります。クリンカに含まれる主な鉱物の割合で性質が変わります。
| 鉱物 | はたらき |
|---|---|
| エーライト(C₃S) | 初期〜中期の強度。多いと早強・高発熱 |
| ビーライト(C₂S) | 長期強度。多いと低発熱・長期強度型(低熱) |
| アルミネート(C₃A) | ごく初期に反応・発熱。少ないと耐硫酸塩・低発熱 |
| フェライト(C₄AF) | 色・初期反応に関与 |
たとえば早強はC₃Sを多く粉末度を細かく、低熱はC₂Sを多くして発熱を抑えています。
使い方(選び方)
- 早く強度がほしい → 早強・超早強。
- 発熱を抑えたい(大断面・高強度)→ 中庸熱・低熱。
- 硫酸塩環境 → 耐硫酸塩。
- 特に要求がなければ → 普通(N)。
まとめ
- ポルトランドセメントはJIS R 5210で6種類(N・H・UH・M・L・SR)。
- クリンカ鉱物(C₃S・C₂S・C₃Aなど)の割合で性質が変わる。
- 初期強度・発熱・耐久性の要求に応じて種類を選ぶ。