鉄筋コンクリート造(RC造) 公開日:2026年6月14日 更新日:2026年7月6日

混合セメントとは?A種・B種・C種の特徴

混合セメントとは?A種・B種・C種の特徴

混合セメントとは、ポルトランドセメント混合材(高炉スラグ・フライアッシュ・シリカ)を混ぜたセメントのことです。英語では「blended cement」と呼ばれ、産業副産物を有効活用しながら、単味のポルトランドセメントにはない長期強度・耐久性・低発熱といった性質を得られるのが特徴です。混合材の割合の違いでA種・B種・C種に区分され、割合が多いほどその特徴が強く現れます。

この記事の要点
  • 混合セメントはポルトランドセメントに高炉スラグ・フライアッシュ・シリカ質の混合材を加えたもの
  • 混合材の混入率でA種・B種・C種に区分され、多いほど低発熱・長期強度・耐久性が強まる
  • 長期強度・耐久性に優れる一方、初期強度が遅く養生管理がより重要になる

混合セメントの種類

  • 高炉セメント(B):製鉄の副産物である高炉スラグ微粉末を混合。国内で最も生産量が多い混合セメント。
  • フライアッシュセメント(F):石炭火力発電所から出る石炭灰(フライアッシュ)を混合。ワーカビリティ改善にも寄与。
  • シリカセメント:シリカ質混合材を混合(流通は少なめ)。特殊な用途で採用される。

いずれも母体はポルトランドセメントで、混合材の種類が違うだけで「割合によりA・B・C種に分かれる」という考え方は共通しています。混合材の種類ごとに得意な効果(低発熱・耐久性・ワーカビリティなど)が少しずつ異なるため、目的に応じて選びます。

A種・B種・C種の違い

混合材の割合で3区分に分かれ、割合が多いほど混合セメントの特徴(低発熱・長期強度・耐久性)が強まります。高炉セメントの場合の混合率の目安は次のとおりです。

区分高炉スラグの割合(目安)性質
A種5%超〜30%以下ポルトランドに近い
B種30%超〜60%以下バランス型(最も一般的)
C種60%超〜70%以下低発熱・耐久性が最大

各区分の詳細な特徴・使いどころは、「高炉セメントA種」「高炉セメントB種」「高炉セメントC種」でそれぞれ詳しく解説しています。

なぜ混合材で性質が変わるのか

高炉スラグやフライアッシュは、それ自体には水と反応して固まる力(水硬性)がほとんどありません。しかし、ポルトランドセメントが水和して生じる水酸化カルシウムに刺激されることで、ゆっくりと硬化に寄与する反応(潜在水硬性・ポゾラン反応)が進みます。この反応が長期間かけて緻密な組織をつくるため、長期強度が伸び、水密性や化学抵抗性が高まるのです。反応が緩やかな分、初期の強度発現は遅くなります。

メリット

  • 長期強度が伸びる。
  • 水和熱が低いマスコンの温度ひび割れ対策)。
  • 耐久性:水密性・化学抵抗性、アルカリシリカ反応の抑制
  • 製鉄・発電の副産物を有効利用するため、環境負荷の低減にもつながる。

デメリット

  • 初期強度が遅い
  • 湿潤養生を長めに必要。寒冷期は不利。
  • 種類により中性化がやや早い傾向。

実務での選び方

POINT

早期の型枠脱型や冬期施工で初期強度を優先する場合は混合率の低いA種や普通ポルトランド、マスコンクリートや海洋構造物のように低発熱・高耐久を重視する場合はB種・C種を選ぶのが基本です。一般の建築工事では、バランスの取れたB種が最も多く採用されています。

注意

「混合セメント=品質が劣る」という誤解は禁物です。用途に合わせて選べば、単味のポルトランドセメントより耐久性で優れる場面が多くあります。逆に養生条件を守らないと、混合セメント本来の性能を発揮できない点には注意が必要です。

Q1. 高炉セメントとフライアッシュセメントはどちらを選べばよいですか?

どちらも長期強度・耐久性に優れますが、高炉セメントは化学抵抗性、フライアッシュセメントはワーカビリティ改善に強みがあります。地域での流通量や現場条件も踏まえて選定します。

Q2. 現場でA種・B種・C種はどう見分けますか?

セメント袋の表示や生コンの納入書・配合計画書に記号(例:BB=高炉B種)が記載されるため、それで確認します。

実務のワンポイント

配合計画書をチェックする際、混合セメントというだけで一律に品質を疑う人がいますが、私はむしろ養生計画とセットで見るようにしています。B種を採用しながら冬季の養生日数が普通ポルトランド並みのままだと、初期強度不足で脱型時にひび割れを起こす例を過去に経験しました。

あわせて読みたい

代表の「高炉セメント」「フライアッシュセメント」、対になる「ポルトランドセメント」をどうぞ。

まとめ

  • 混合セメントはポルトランドに混合材を加えたもの。高炉・フライアッシュが代表。
  • 混合材の割合でA種・B種・C種。多いほど低発熱・耐久性が強まる。
  • 潜在水硬性・ポゾラン反応が長期強度と耐久性を生む一方、初期強度は遅れる。
  • 長期強度・低発熱・耐久性が利点。初期強度の遅さ・養生・寒冷期に注意。