鉄骨造(S造)のメリット・デメリット|RC造との違いを比較して解説
鉄骨造(S造)の長所・短所は、ライバルである鉄筋コンクリート造(RC造)と比べると一番よく理解できます。この記事では、S造のメリット・デメリットをRC造との違いを軸に整理します。
鉄骨造のメリット
- 大スパンが飛ばせる:高強度なので、柱のない広い空間をつくれる。工場・倉庫・体育館・店舗に最適。
- 軽い:RC造より建物が軽く、地震力(重量に比例)や基礎・地盤への負担が小さい。高層にも有利。
- 工期が短い:工場で部材を製作し現場で組み立てるため、コンクリートの養生待ちがなく早い。
- 品質が安定:工業製品の鋼材はばらつきが小さい。
- 粘り強い(じん性):大地震で大きく変形しても一気に壊れにくい。
- リサイクル性:解体時に鋼材を再利用しやすい。
鉄骨造のデメリット
- 火災に弱い:鋼は約500℃で強度が半減するため耐火被覆が必要。RC造はコンクリートが守るので被覆不要。
- 錆びる:防錆処理(塗装・めっき)が必要。
- 揺れ・振動を感じやすい:軽く剛性が低めなので、歩行振動や風揺れの居住性検討が重要。RC造は重く硬いので揺れにくい。
- 座屈に注意:細い部材は座屈しやすく、補剛が必要。
- 遮音性が低め:RC造に比べ音が伝わりやすい。
- コスト変動:鋼材価格の影響を受けやすい。
S造とRC造の違い(比較表)
| 項目 | 鉄骨造(S造) | 鉄筋コンクリート造(RC造) |
|---|---|---|
| 重さ | 軽い ◎ | 重い △ |
| スパン | 大スパン向き ◎ | 中スパン ○ |
| 工期 | 短い ◎ | 長い △ |
| 耐火 | 耐火被覆が必要 △ | そのまま高い ◎ |
| 遮音・揺れにくさ | 低め △ | 高い ◎ |
| じん性(粘り) | 高い ◎ | 設計による ○ |
| 主な用途 | 工場・倉庫・体育館・高層ビル | マンション・学校・庁舎 |
使い分けの考え方
「広い空間・高層・短工期」ならS造、「遮音・耐火・揺れにくさ」ならRC造。建物の用途と優先順位で選びます。両者を組み合わせた混構造(下層RC+上層S造など)も使われます。詳しくは「RC造・S造・SRC造・木造の違い」をどうぞ。
あわせて読みたい
鋼材の弱点(熱・錆)の詳細は「鉄骨の材料」、RC造側の特徴は「鉄筋コンクリート造(RC造)とは?」をどうぞ。
まとめ
- S造の長所は大スパン・軽さ・短工期・じん性。RC造に対する強み。
- S造の短所は耐火被覆・錆・揺れ・座屈。これらはRC造の得意分野。
- 用途と優先順位(空間か、遮音・耐火か)で使い分ける。