鉄骨造(S造) 更新日:2026年6月14日

鋼構造接合部設計指針とは?内容・目次・柱脚の設計を解説

鋼構造接合部設計指針は、日本建築学会(AIJ)が発行する、鉄骨造(S造)接合部に特化した設計の指針です。柱梁接合部・継手・柱脚など、鉄骨造で最も検討が難しい「部材と部材のつなぎ目」の設計法をまとめています。

この記事について

規準・指針類は版(年度)によって内容が改訂されます。本記事は学習用の概要です。実務で参照する際は、必ず最新版の原典(日本建築学会の刊行物)を確認してください。

位置づけ:接合部設計の拠りどころ

鋼構造設計規準が部材設計の基本を定めるのに対し、本指針は接合部の詳細設計を担います。鉄骨造では「接合部は部材より先に壊れてはいけない」という保有耐力接合の考え方が重要で、その具体的な算定方法が示されています。

目次(主な構成)

版によって構成は変わりますが、おおむね次のような内容が扱われます。

項目主な内容
接合部設計の基本保有耐力接合の考え方、応力伝達の原則
高力ボルト接合摩擦接合・引張接合のすべり・耐力、ボルト配置
溶接接合完全溶込み・隅肉溶接の耐力、のど厚、欠陥の扱い
継手梁継手・柱継手の応力分担とボルト・溶接の設計
柱梁接合部パネルゾーン、ダイアフラム(通しダイアフラム形式 等)
柱脚露出柱脚・根巻き柱脚・埋込み柱脚の設計

柱脚の設計

柱脚は鉄骨柱の力を基礎に伝える重要な部分で、本指針の中心的なテーマの一つです。代表的な3形式があります。

形式特徴
露出柱脚ベースプレートとアンカーボルトで固定。施工が容易だが回転剛性は小さめ
根巻き柱脚柱脚まわりをRCで根巻きし剛性・耐力を高める
埋込み柱脚柱を基礎コンクリートに埋め込む。剛性・耐力が大きく固定度が高い

実務での使い方

  • 梁継手・柱継手のボルト本数・溶接サイズを決める根拠として参照する。
  • 柱梁接合部のパネルゾーンやダイアフラムの検討に使う。
  • 露出柱脚のアンカーボルト・ベースプレートの設計に使う。
  • 保有水平耐力(二次設計)の検討で、接合部が先行破壊しないことの確認に用いる。
あわせて読みたい

部材設計の基本は「鋼構造設計規準」、継手の標準は「梁継手・接合部標準図集(SCSS-H97)」、施工は「JASS6」をどうぞ。

まとめ

  • 鋼構造接合部設計指針は、日本建築学会による鉄骨接合部の設計指針。
  • 高力ボルト・溶接・継手・柱梁接合部・柱脚の設計法を扱う。
  • 「保有耐力接合(接合部を先に壊さない)」が基本思想。版は最新版を確認する。