木造(W造) 更新日:2026年6月14日

在来工法とは?概要・耐震性・伝統工法との違いをわかりやすく解説

「在来工法」は、日本の戸建て木造住宅で最も多く使われている工法です。正式には木造軸組工法(在来軸組工法)と呼びます。この記事では、在来工法の概要・耐震性、そして混同されやすい「伝統工法(伝統構法)」との違いを整理します。

在来工法の概要

在来工法は、柱と梁(横架材)で骨組み(軸組)をつくり、筋かいや構造用面材で水平力に抵抗する工法です。基礎の上に土台を据え、柱を立て、梁・桁で連結し、屋根を架けます。間取りの自由度が高く、増改築や開口部の設置がしやすいのが特徴です。

  • 鉛直の荷重(建物の重さ):柱・梁が支える。
  • 水平の力(地震・風):筋かいや耐力壁が抵抗する。
  • 柱脚・柱頭などの接合は接合金物で緊結する。

在来工法の耐震性

在来工法は、過去の地震被害を教訓に、法改正を経て耐震性が大きく向上してきました。

主な強化
1981年(新耐震基準)必要壁量の見直し。震度6強〜7でも倒壊しない水準へ。
2000年(4号特例下の基準強化)地盤に応じた基礎、柱の接合金物(N値計算)、耐力壁のバランス(四分割法)を明確化。

現在の在来工法の耐震性は、「壁の量・配置バランス・接合」の3点を適切に満たすことで確保されます。詳しくは「壁倍率と必要壁量」「四分割法」で解説します。

伝統工法(伝統構法)との違い

在来工法とよく混同されるのが「伝統工法」です。どちらも木の軸組ですが、力への抵抗の考え方が根本的に異なります。

項目在来工法伝統工法(伝統構法)
接合接合金物で緊結仕口・継手(木組み)。金物を使わない
水平力への抵抗筋かい・耐力壁で「固めて」抵抗柱の傾き・貫などで「変形して粘り」吸収
基礎コンクリート基礎に緊結石場建て(礎石の上に柱を置く)など
一般的な木造住宅寺社建築、古民家
POINT

在来工法は「剛(かたく固めて耐える)」、伝統工法は「柔(しなやかに変形して受け流す)」という考え方の違いがあります。現代の住宅のほとんどは、計算・施工がしやすく耐震性を確保しやすい在来工法です。

あわせて読みたい

部材の役割は「在来軸組工法の部材」、2×4との違いは「軸組と枠組の違い」、木造全体は「木造(W造)とは?」をどうぞ。

まとめ

  • 在来工法=木造軸組工法。柱・梁の軸組と筋かい・耐力壁で支える日本の主流工法。
  • 耐震性は1981年・2000年の基準強化で向上。壁の量・配置・接合が鍵。
  • 伝統工法は金物を使わず木組みで「変形して粘る」点が在来工法と異なる。