H形鋼の断面二次モーメント|強軸と弱軸の違い
断面二次モーメント(I)は、曲げにくさ(曲げ剛性)を表す断面性能です。H形鋼は向きによってIが大きく変わり、強軸と弱軸を区別することがとても重要です。
この記事について
本記事の数値は代表的なJIS呼称の例で、学習用の概要です。設計・積算では必ず最新のJIS G 3192や鋼材ハンドブック(形鋼表)の正確な値を使用してください。
強軸(Ix)と弱軸(Iy)の違い
H形鋼を曲げる向きによって、断面二次モーメントは2種類あります。
| 強軸(x軸)Ix | 弱軸(y軸)Iy | |
|---|---|---|
| 曲げの向き | せい方向に曲げる(フランジが上下) | 幅方向に曲げる |
| 値 | 大きい | 小さい |
| 使い方 | 梁はこの向きで使う | 横座屈・2軸曲げで効く |
材料が中立軸から遠い上下フランジに集まる強軸はIが大きく、フランジが中立軸の近くに来る弱軸はIが小さくなります。同じH形鋼でも、せいを縦にして使う(強軸で曲げる)と何倍も曲げに強いのはこのためです。
求め方の公式
強軸:Ix = [ B·H³ − (B − t1)·(H − 2·t2)³ ] / 12
弱軸:Iy = [ 2·t2·B³ + (H − 2·t2)·t1³ ] / 12 H:せい/B:フランジ幅/t1:ウェブ厚/t2:フランジ厚
弱軸:Iy = [ 2·t2·B³ + (H − 2·t2)·t1³ ] / 12 H:せい/B:フランジ幅/t1:ウェブ厚/t2:フランジ厚
強軸は「外形BHの矩形から、ウェブ両脇の空白を引く」考え方、弱軸は「フランジ2枚+ウェブ」を足し合わせる考え方です。
代表サイズの一覧(強軸Ix・弱軸Iy)
| 呼称(mm) | Ix(cm⁴) | Iy(cm⁴) | Ix/Iy |
|---|---|---|---|
| H-400×200×8×13(細幅) | 23700 | 1740 | 約13.6 |
| H-300×300×10×15(広幅) | 20400 | 6750 | 約3.0 |
| H-400×400×13×21(広幅) | 66600 | 22400 | 約3.0 |
細幅はIx/Iyが大きく強軸に偏った断面(梁向き)、広幅はIyも比較的大きく2方向に強い断面(柱向き)であることが数値からわかります(→広幅・中幅・細幅)。
POINT
梁は強軸で曲げを受けるように架けるのが原則。弱軸方向は横座屈に弱いため、横補剛で圧縮フランジを支えます。
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まとめ
- 断面二次モーメントIは曲げにくさ。H形鋼は強軸Ixと弱軸Iyで大きく異なる。
- Ix=[BH³−(B−t1)(H−2t2)³]/12、Iy=[2t2·B³+(H−2t2)t1³]/12。
- 梁は強軸で使う。細幅は梁向き、広幅は2方向に強く柱向き。