中空断面とは?断面係数・断面二次モーメントと座屈
中空断面(ちゅうくうだんめん)とは、中が空洞になっている断面のことで、円形鋼管や角形鋼管が代表です。同じ重さでも曲げ・座屈に効率よく強いのが特徴です。
この記事について
鋼材の規格・寸法などはJISや製品の改訂で変わることがあります。本記事は学習用の概要です。実務では必ず最新のJIS・メーカーの形鋼表(鋼材ハンドブック)を確認してください。
中空断面が強い理由
曲げや座屈への強さは、材料が中立軸からどれだけ外側に分布しているかで決まります。中空断面は材料を外周に集めるため、中実断面より断面二次モーメントIを大きくでき、同じ断面積(重さ)でも効率的です。
断面二次モーメント・断面係数の計算
円形中空断面(外径D、内径d)の場合:
I = π(D⁴ − d⁴) / 64 Z = I / (D/2) = π(D⁴ − d⁴) / (32D)
D:外径/d:内径(mm)
角形(箱型)中空断面(外形B×H、空洞b×h)の場合:
I = (BH³ − bh³) / 12 Z = I / (H/2)
いずれも「外形の値 − 空洞の値」で求めます(詳しくは箱型断面)。
座屈への影響
POINT
柱の座屈のしにくさは断面二次半径 i=√(I/A)で効いてきます。中空断面はAが同じでもIが大きいのでiが大きく、細長比が小さくなって座屈しにくい。これが柱に鋼管(中空断面)が好まれる理由です。ただし管の肉厚が薄すぎると、管壁が局部的に座屈する局部座屈に注意が必要です。
まとめ
- 中空断面は中が空洞の断面(鋼管)。材料を外周に集め効率的に強い。
- 円形は I=π(D⁴−d⁴)/64、角形は I=(BH³−bh³)/12 で計算。
- 断面二次半径が大きく座屈に強いが、肉厚が薄いと局部座屈に注意。