木造(W造) 公開日:2026年6月14日 更新日:2026年7月22日

木材のm³(立米)をt(トン)に換算する方法

木材のm³(立米)をt(トン)に換算する方法

木材の体積(m³・立米)から重量(t・トン)への換算とは、材木の体積の数値に密度を掛けて、実際の重さ(トン数)を求める計算のことです。求め方自体は密度を掛けるだけとシンプルですが、運搬車両の積載量チェックや材料費の積算、クレーン・重機の選定など、木造建築の実務でたびたび使う計算です。

この記事の要点
  • 重量(t)=体積(m³)×密度(t/m³)で求められる。気乾比重の数値がそのままt/m³になる。
  • 日本の木材業界では、m³のほかに「才(さい)」という伝統的な単位も使われる。
  • 運搬重量は含水状態(生材か乾燥材か)で大きく変わるため注意が必要。

換算の基本

重量(t)= 体積(m³)× 密度(t/m³) 密度(t/m³)= 気乾比重(水=1.0基準なのでそのまま t/m³)

比重は「水を1としたときの比」なので、気乾比重の数値がそのまま t/m³になります。たとえばスギ(比重0.38)は0.38t/m³です。

樹種別の換算(1m³あたり)

樹種気乾比重1m³ ≒
スギ0.380.38 t
ヒノキ0.410.41 t
ベイマツ0.500.50 t
ケヤキ0.690.69 t

例:スギ材5m³なら、5 × 0.38 = 約1.9tです。より詳しい樹種別の比重は「木材の比重と密度」の一覧を参照してください。

POINT:含水率で変わる

上記は気乾状態の目安です。乾燥前の生材は水を多く含むため、もっと重くなります(スギ生材で0.7〜0.8t/m³になることも)。運搬重量を見るときは含水状態に注意します。

材積の伝統単位「才」との関係

日本の木材業界では、m³のほかに才(さい)という伝統的な材積単位も使われてきました。代表的な定義は1寸角×12尺(1寸角の断面で長さ12尺の角材の体積)で、これはおおむね0.0033m³前後に相当します。製材工場や材木店の見積書・単価表で「才単価」という表現を見かけることがあり、m³単価との換算が必要になる場面があります。丸太(原木)の材積を扱う際には「石(こく)」という単位が使われることもありますが、これは才とは別の基準で数えられるため、混同しないよう注意しましょう。

運搬・積算の実務での使い方

m³→t換算は、次のような場面で実際に使われます。

  • 運搬計画:トラックの積載重量(t)に対して、積み込む木材の体積から重量を見積もる。
  • 積算・見積り:材積(m³・才)に単価を掛けて材料費を算出する。
  • 荷揚げ・揚重計画:クレーンや揚重機の能力に対し、一度に吊る木材の重量を確認する。

個々の部材1本あたりの重さを知りたい場合は、「木材の重さ計算」で断面寸法から求める方法が便利です。

よくある質問

Q1. 才単価とm³単価はどちらが一般的ですか?

近年はm³(立米)単価での取引が主流ですが、地域や取引先によっては今も才単価が使われることがあります。見積書を確認する際は、どちらの単位かをまず確認しましょう。

Q2. 集成材やベイマツなど輸入材でも同じ換算で良いですか?

基本の考え方(体積×密度)は同じですが、樹種ごとに気乾比重が異なるため、必ずその樹種の比重を使って換算します。

あわせて読みたい

木材の重さ計算」「木材の比重と密度」「木材の許容応力度」「気乾状態」をどうぞ。

実務のワンポイント

上棟前の搬入計画を立てるとき、材木店の見積書に才単価とm³単価が混在していて換算を間違えそうになったことがあります。トラックの積載重量を確認する際は、含水状態も含めて重さを見積もるようにしています。

換算の考え方(図解)

木材の体積から重量への換算 体積 × 密度 = 重量 という掛け算だけ 体積 1 m³ = 1立米(りゅうべい) × 密度(気乾) 380〜690 kg/m³ 樹種によって大きく変わる 重量 0.38〜0.69 t = 380〜690 kg つまずきやすいのは「どの密度を使うか」 ・気乾(含水率15%)… 建材として流通する乾いた状態。設計計算はこれ ・生材(伐採直後)… 水を多く含み、気乾の1.3〜1.8倍。運搬計画はこれ 生材を気乾の値で計算すると、トラックが積載オーバーになる恐れがある
換算式そのものは単純だが、「乾いた材か、まだ濡れている材か」で答えが1.5倍近く変わる。用途に応じて使い分ける。

木材の単位・換算まとめ

単位読み方換算使われる場面
立米(りゅうべい)基準製材・集成材の取引、積算
才(さい)さい1才 = 1寸角×1丈 = 約0.00334m³
(1m³ ≒ 約299.5才
造作材・和室材の取引
石(こく)こく1石 = 10立方尺 ≒ 0.278m³古い資料・原木の取引
坪(面積)つぼ1坪 = 約3.306m²合板・面材の取引
まい合板910×1,820mm = 約1.656m²合板・ボードの発注

実務では「1m³ ≒ 300才」と覚えておくと、才単価とm³単価の比較が暗算でできます。たとえば才単価200円なら、m³単価は200×300=60,000円。逆にm³単価90,000円の材は、才単価にすると300円です。

実務での計算例

例1:木造住宅1棟分の構造材(スギ・気乾)
延べ床面積120m²の在来木造 → 構造材の使用量は約20m³が目安
重量 = 20 × 380 = 約7,600kg = 約7.6t
例2:4tトラックに何m³積めるか(スギ生材)
生材の密度(気乾の1.5倍と仮定)= 380 × 1.5 = 570kg/m³
4,000 ÷ 570 ≒ 約7.0m³ ※気乾材なら 4,000÷380 ≒ 10.5m³
積算では「歩留まり」も見込む

設計図から拾った正味の材積(ネット)と、実際に発注する量(グロス)は一致しません。切り無駄、定尺(3m・4m・6m)との差、加工代、予備分が必要だからです。一般に1割前後の割増しを見込むのが実務の慣習で、複雑な形状や特殊な長さが多い場合はさらに増えます。
逆にプレカット工場に発注する場合は、工場側で材の取り都合を最適化してくれるため、現場での歩留まりロスは小さくなります。この差が、プレカットが普及した理由の一つでもあります。

まとめ

  • 木材の重量(t)=体積(m³)×密度(t/m³)。気乾比重がそのままt/m³。
  • スギ0.38・ヒノキ0.41・ケヤキ0.69 t/m³ などが目安。
  • 伝統単位「才」(約0.0033m³)が使われることもある。単位を確認して換算する。
  • 生材は水を多く含み重くなる。運搬・積算では含水状態に注意する。