鉄筋コンクリート造(RC造) 公開日:2026年6月14日 更新日:2026年7月22日

細骨材とは?粗骨材との違いと配合での役割

細骨材とは?粗骨材との違いと配合での役割

細骨材(さいこつざい)とは、骨材のうち粒の細かいもの=砂のことです。粗骨材のすき間を埋め、コンクリートの施工性(ワーカビリティ)を大きく左右する材料で、コンクリートの体積の中でも粗骨材と並んで大きな割合を占めています。天然の川砂・山砂・海砂だけでなく、岩石を砕いてつくる砕砂(さいさ)も細骨材として使われます。

この記事の要点
  • 細骨材は5mmふるいを質量で85%以上通る骨材=砂のこと。
  • 粗骨材のすき間を埋め、ワーカビリティと材料分離抵抗性を高める。
  • 細骨材率s/aは、施工性と単位水量のバランスを決める重要な指標。

読み方と意味

読み方は「さいこつざい」。「細かい骨材」の意味で、一般には砂を指します。英語では fine aggregate と呼ばれ、コンクリート用語の輸入元である英米の設計基準でも同じ区分が使われています。

粗骨材との違い

細骨材粗骨材
大きさ5mmふるいを質量で85%以上通る5mmふるいに85%以上とどまる
主なもの砂利・砕石

天然砂と砕砂の違い

細骨材には、川・山・海でとれる天然砂と、岩石を砕いてつくる砕砂があります。天然砂は粒が丸く扱いやすい一方、良質なものの枯渇や採取規制で入手が難しくなっています。砕砂は角張っていてセメントペーストとの付着が良い半面、粒の形や粒度のばらつきが大きく、施工性を確保するために粒度の管理が重要になります。近年は天然砂の不足を背景に、砕砂や、砕砂と天然砂を混合した細骨材が広く使われています。

粒度・粗粒率

細骨材の粒の大小の分布を粒度といい、粗いか細かいかを1つの数値で表す指標が粗粒率(FM:Fineness Modulus)です。粗粒率が大きいほど粒度全体が粗い(大きい粒が多い)ことを意味します。粒度が適切に分布していないと、粗骨材どうしのすき間をうまく埋められず、ワーカビリティが悪化したり、材料分離が生じやすくなったりするため、規格ではふるい分け試験による粒度の範囲が定められています。

配合での役割

  • 粗骨材どうしのすき間を埋める
  • コンクリートのワーカビリティ(施工性)を高める。
  • 材料分離を防ぐ(粘りを与える)。
注意

細骨材に泥分(微粒分)や有機不純物が多く含まれていると、セメントとの付着を妨げ、コンクリートの強度や耐久性を低下させます。規格では、泥分量や有機不純物の試験によって品質が管理されています。

細骨材率(s/a)の計算とスランプの関係

配合では、骨材全体に対する細骨材の割合=細骨材率(s/a)を使います。絶対容積の比で表します。

細骨材率 s/a = 細骨材の絶対容積 ÷(細骨材+粗骨材の絶対容積)
POINT:細骨材率とスランプ

細骨材率を大きくすると、砂が増えてワーカビリティは上がりますが、表面積が増えて必要な水(単位水量)が増えます。すると水セメント比乾燥収縮に不利になります。所定のスランプ(軟らかさ)を、できるだけ少ない水で得られるように、適切な細骨材率を選ぶのが配合設計のポイントです。

あわせて読みたい

対の「粗骨材」、配合は「絶対容積」、全体は「骨材とは」をどうぞ。

実務のワンポイント

配合計画書をチェックするとき、細骨材率の数値だけでなく、実際に使う砂が天然砂か砕砂かまで確認するようにしています。同じs/aの数値でも、砂の種類によって必要な単位水量の感触が変わってくるため、数字の裏側を見ないと判断を誤りやすい項目です。

粒度と粗粒率(図解)

細骨材で重要なのは、粒の「大きさの分布」です。同じ砂でも粒度によって性質が変わります。

粒度が良い砂と悪い砂 粒度が良い(大小が混ざる) すき間が小さい 必要なペーストが少なくて済む → 経済的で施工性も良い 粒度が悪い(大きさが揃う) すき間が大きい 埋めるペーストが多く必要 → 不経済・材料分離しやすい
大小の粒がバランスよく混ざっているほど、粒どうしのすき間が小さくなり、埋めるためのセメントペーストが少なくて済む。
粗粒率(FM)= 各ふるいにとどまる質量百分率の合計 ÷ 100 細骨材のFMは2.3〜3.1程度が一般的。値が大きいほど粗い砂

粗粒率(FM:Fineness Modulus)は、粒度を1つの数値で表す指標です。80mm・40mm・20mm・10mm・5mm・2.5mm・1.2mm・0.6mm・0.3mm・0.15mmの各ふるいにとどまった質量百分率を合計し、100で割って求めます。細骨材では2.3〜3.1程度が標準で、この範囲を外れると配合の調整が必要になります。

細骨材の品質で問題になる項目

項目問題対策・規定
塩化物量海砂に含まれる塩分が鉄筋を腐食させる塩化物イオン量0.04%以下(NaCl換算)に除塩
微粒分(0.075mm以下)単位水量が増え、乾燥収縮が大きくなる天然砂3%以下、砕砂は用途により7〜9%以下
有機不純物凝結を阻害し強度が出ない有機不純物試験で確認
アルカリ骨材反応性膨張してひび割れる反応性の試験、抑制対策の実施
粘土塊強度・耐久性の低下1.0%以下
海砂の除塩がなぜ重要か

1970〜80年代、除塩が不十分な海砂を使ったコンクリートで鉄筋が早期に腐食し、ひび割れや剥落が生じる被害が各地で発生しました。これを受けて塩化物量の規制が強化され、現在は生コン工場で厳格に管理されています。細骨材の品質は、強度よりも建物の寿命に直結する要素だという教訓です。

よくある質問

Q1. 砕砂と天然砂はどちらが良いのですか?

一長一短です。天然砂は粒が丸く流動性を確保しやすい反面、良質なものが枯渇しつつあり採取規制も進んでいます。砕砂は角張っていてセメントペーストとの付着が良く強度面で有利ですが、粒形や粒度のばらつきが大きく、微粒分も多くなりがちで単位水量が増える傾向があります。実務では両者を混合して使うことが多くなっています。

Q2. 粗粒率が規格を外れるとどうなりますか?

配合の調整が必要になります。粗粒率が小さい(細かい)砂は表面積が大きく、必要な単位水量が増えて乾燥収縮が大きくなります。逆に大きい(粗い)砂はワーカビリティが低下し、材料分離しやすくなります。JISでは粗粒率の変動が±0.20を超える場合、配合を修正することとされています。

Q3. 細骨材率(s/a)とは何ですか?

骨材の絶対容積のうち、細骨材が占める割合です。一般に40〜50%程度で調整します。この値を大きくすると砂が増え、ワーカビリティは良くなりますが単位水量が増えて収縮が大きくなります。小さくすると経済的ですが、ざらついて施工しにくく材料分離しやすくなります。粗骨材の最大寸法やスランプに応じて適切な値を選定します。

まとめ

  • 細骨材(さいこつざい)は砂。5mmふるいを質量で85%以上通る骨材。
  • 天然砂・砕砂があり、近年は砕砂の使用も広がっている。粒度・粗粒率の管理が重要。
  • 粗骨材のすき間を埋め、ワーカビリティと分離抵抗を与える。
  • 細骨材率s/aが大きいと施工性は上がるが単位水量が増える。適切に選ぶ。