鉄骨造(S造) 更新日:2026年6月14日

H形鋼の幅厚比|フランジ・ウェブの制限値と基準強度

幅厚比(はばあつひ)とは、板の「幅」と「厚さ」の比のことです。H形鋼の板が薄すぎると局部座屈を起こすため、幅厚比には制限が設けられています。

この記事について

本記事の数値は代表的な目安・例で、学習用の概要です。設計・積算では必ず最新のJIS・建築基準法告示・鋼構造設計規準・鋼材ハンドブックの正確な値を確認してください。

幅厚比とは

薄くて幅の広い板ほど、圧縮を受けると波打つように座屈しやすくなります。これが局部座屈です。幅厚比は、この座屈のしやすさを表す指標で、大きいほど(板が薄いほど)危険です。

フランジ・ウェブの幅厚比の求め方

フランジ:(B/2) / t2  ウェブ:(H − 2·t2) / t1 B:フランジ幅/t2:フランジ厚/H:せい/t1:ウェブ厚

フランジは中央から外に張り出した板(片側)の幅厚比、ウェブは上下フランジ間の高さに対する幅厚比で評価します。

制限値と基準強度Fの関係

幅厚比の制限値は、鋼材の基準強度Fが大きいほど厳しく(小さく)なります。強い鋼ほど高い応力が働き、局部座屈しやすくなるためで、制限値は√(235/F)に比例して調整されます。

制限値 ∝ √(235 / F) F=235(SN400等)を基準に、F=325(SN490等)では √(235/325)≒0.85 倍に厳しくなる

部材ランク(FA〜FD)

鋼構造の規準では、幅厚比などに応じて部材をFA・FB・FC・FDの4ランクに分類します。FAが最も塑性変形能力が高く(幅厚比が小さい)、FDに向かうほど早く局部座屈します。これは保有水平耐力計算で部材の粘り強さを評価する際に使われます。

ランク幅厚比変形能力
FA小さい(厚い板)高い(よく粘る)
FB・FC中間中間
FD大きい(薄い板)低い(早く座屈)

参考:F=235の場合のFAの目安は、フランジ(B/2)/t2 ≈ 9、ウェブ(H−2t2)/t1 ≈ 60程度(正確な値は規準で確認)。

あわせて読みたい

板の役割は「フランジとウェブ」、座屈は「座屈とは?」、規準は「鋼構造設計規準」をどうぞ。

まとめ

  • 幅厚比は板の幅÷厚さ。大きい(薄い)ほど局部座屈しやすい。
  • フランジは(B/2)/t2、ウェブは(H−2t2)/t1で求める。
  • 制限値は基準強度Fが大きいほど厳しく(√(235/F)倍)。部材ランクFA〜FDで評価する。