鉄筋コンクリート造(RC造) 公開日:2026年6月14日 更新日:2026年7月22日

水密コンクリートとは?W/C50%以下と単位粗骨材量

水密コンクリートとは?W/C50%以下と単位粗骨材量

水密コンクリートとは、水を通しにくいように配合・施工したコンクリートのことです。水槽・地下室・水路など、水を扱う部位や水に接し続ける部位に使われます。強度だけを高めても水密性が確保できるわけではなく、配合・打込み・目地の計画をあわせて考える必要があります。

この記事の要点
  • 水密性は、コンクリート内部のすき間(空隙・毛細管)を減らして緻密にすることで高まる。
  • 水セメント比を50%以下に抑え、単位粗骨材量を多めにするのが配合上の基本方針。
  • 配合だけでなく、打継ぎ部の処理や止水板、ひび割れ制御目地など施工・計画面の対策も重要。

特徴:緻密で水を通さない

水密性は、コンクリート内部のすき間(空隙・連続した毛細管)を減らして緻密にすることで高まります。ブリーディング(水の浮き)やひび割れを抑え、密実に打ち込むことが重要です。硬化したコンクリートには、余分な水が抜けた跡や締固め不足による空隙がわずかに残りますが、これらが連続してつながると水の通り道(水みち)になってしまいます。

水セメント比50%以下

POINT:W/Cを下げる

水が多いと、硬化後に水が抜けた跡が連続した空隙になり水を通しやすくなります。そのため水密コンクリートは水セメント比(W/C)を50%以下とし、余分な水を減らして緻密にします。W/Cが小さいほど水密性が高まります。あわせて単位水量そのものを少なくすることも、水みちを減らすうえで有効です。

単位粗骨材量との関係

水密性を高めるもう一つのポイントが、単位粗骨材量を多めにすることです。粗骨材(砂利・砕石)を多くすると、相対的にセメントペースト(水+セメント)の量が減ります。ペーストは乾燥収縮やひび割れの原因になりやすいため、ペーストを減らす=乾燥収縮・ブリーディングを抑え、水みちを減らすことにつながります。ただし粗骨材を増やしすぎると流動性が落ち、締固め不足による空隙が生じやすくなるため、ワーカビリティとのバランスも欠かせません。

打継ぎ部・目地の対策

水密性を確保するうえで、配合だけでなく施工・計画面の対策も同じくらい重要です。コンクリートを一体に打ち込めない打継ぎ部は、水みちになりやすい弱点です。地下構造物などでは、打継ぎ部に止水板(ウォーターストップ)を設置して水の浸入経路を断つのが一般的です。また、ひび割れが避けられない箇所には、あらかじめひび割れ誘発目地を設けて、ひび割れの発生位置と幅をコントロールする工夫も行われます。

用途

  • 受水槽・プール・浄化槽などの水槽
  • 地下室・地下ピット(地下水の浸入防止)。
  • 水路・擁壁など水に接する構造物。
注意

水密コンクリートは、配合を工夫するだけで完成するものではありません。どれほど緻密な配合にしても、締固め不足やコールドジョイント(打ち重ね不良)があれば、そこから水が浸入してしまいます。また、防水シートや塗膜防水などの「防水工事」とは別の考え方で、水密コンクリートはコンクリート自体で水を通しにくくする工夫です。求められる水密性のレベルによっては、防水層と組み合わせて併用することもあります。

実務のワンポイント

水槽の設計で水セメント比だけ下げて満足しがちだが、実際の漏水事故はほぼ打継ぎ部から起きている。止水板の位置と鉄筋のかぶりが干渉していないか、私は配筋検査のときに目地図と現場を必ず突き合わせて確認するようにしている。

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ひび割れは「コンクリートの弱点」、強度との関係は「高強度コンクリート」、粗骨材は「粗骨材とは」、全体像は「コンクリートの種類7選」をどうぞ。

水みちができる仕組み(図解)

空隙がつながると水が通る W/Cが大きい(粗い組織) 空隙が連続して水みちになる → 水が浸透する W/Cが小さい(緻密な組織) 空隙が孤立していてつながらない → 水を通さない
水密性は空隙の量ではなく「つながっているか」で決まる。W/Cを下げて組織を緻密にすると、空隙が孤立して水みちが形成されない。

水密性を高める対策

対策内容ねらい
W/C 50%以下水セメント比を小さくする毛細管空隙を減らし組織を緻密にする
単位粗骨材量を多くペーストの割合を減らす乾燥収縮によるひび割れを抑える
スランプを小さく18cm以下を目安にブリーディングを抑え、水みちの起点をなくす
AE剤の適切な使用空気量を確保独立した気泡はむしろ水みちを断つ
打継ぎ部の処理止水板の設置、レイタンス除去打継ぎ面は最大の弱点になるため
入念な締固め・養生空隙をなくし、ひび割れを防ぐ施工の質が水密性を左右する
水漏れの多くは「ひび割れ」と「打継ぎ」から

コンクリート自体を緻密にしても、ひび割れが1本あればそこから水が入ります。実際の漏水事故の多くは、コンクリートの組織を透過したものではなく、ひび割れ・打継ぎ部・セパレーター周りといった不連続部が原因です。水密コンクリートの計画では、配合だけでなく、ひび割れ制御(誘発目地の配置)と打継ぎ処理(止水板)を一体で考える必要があります。

よくある質問

Q1. 水密コンクリートと防水はどう使い分けますか?

併用するのが一般的です。水密コンクリートはコンクリート自体の透水性を下げる対策ですが、ひび割れが生じれば漏水します。そのため、地下外壁や水槽では、水密コンクリートに加えて防水層(アスファルト防水・塗膜防水など)を設けるのが標準的です。ただし、水槽の内側など防水層を設けにくい部位では、水密コンクリートと止水板・誘発目地の組み合わせで対応します。

Q2. 単位粗骨材量を多くすると水密性が上がるのはなぜですか?

セメントペーストの割合が減り、乾燥収縮が小さくなるためです。水を通しやすいのはペースト部分であり、また収縮ひび割れもペーストで生じます。粗骨材は収縮せず水も通さないため、これを多くするほど全体としての収縮とひび割れが減り、結果として水密性が向上します。ただし、施工性が低下するため限度があります。

Q3. 透水試験でどのように水密性を確認しますか?

供試体に水圧をかけて、一定時間後の透水量や浸透深さを測定します。ただし、緻密なコンクリートでは透水量がごくわずかで測定に長時間かかるため、実務では出力透水試験や、より簡便な吸水試験が使われることもあります。日常の品質管理では、透水試験を行うより、W/Cの管理・スランプ・空気量の確認と、施工(締固め・養生・打継ぎ処理)の徹底で担保するのが一般的です。

まとめ

  • 水密コンクリートは水を通しにくい緻密なコンクリート。
  • 水セメント比50%以下とし、余分な水を減らして水みちを少なくする。
  • 単位粗骨材量を多めにしてペーストを減らし、収縮・ブリーディングを抑える。
  • 打継ぎ部の止水板やひび割れ誘発目地など、施工・計画面の対策もあわせて行う。